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2024/06/24 20:08

ラ バンカル (La Bancale) / フランス ルーション地方


当店で取り扱っている、ナチュールワインの生産者をご紹介していきます。
今回もフランス編でルーション地方の ラ バンカル (La Bancale)  のご紹介です。
2014年にバスチャン バイエとパートナーであるセリーヌ シュエルが設立しました。
「我々自身のワインを造りたい。」そんな情熱を持ち、他のワイナリーで働きながら、自宅のガレージで醸造を始めた、まさに「Bancle」(=不安定な、がたつくの意味)なところからのスタートでした。
初めの畑はどれもやや放置されたヴィエイユ ヴィーニュ(=古木)で、不安定な斜面の畑でした。
ポンプもトラクターも収穫用のケースもなく、収穫人は家族と友人のみで、まさしくBancleそのもの。
とにかく、2014年にこうしてオート フヌイヤードでスタートしたドメーヌは、2016年にサンポール ド フヌイエに移転と同時に、4haを取得し、合計で6haのブドウ畑と少しのオリーブ畑を開発しました。2020年、近くに本当のカーブを作るまではごく簡素な設備で醸造していました。
そんな背景を持つバンカルは、この地方の若手のなかでも特に他の生産者からの評価が高く、泥だらけの服と車、それほど社交的ではない雰囲気から、まるで農夫のようだ、と言われています。「営業とかサロンとか、苦手なんだよね。畑が1番だな。」そう話すバスチャンは、醸造の仕事すら煩わしいほど、セリーヌ共々とにかく畑が好きなようです。
彼らのワインは、いわゆる薄旨系とか言われそうな流行りのスタイルです。しかし、マセラシオン・カルボニック(=ぶどうを破砕せずに房ごと密閉タンクに置いておき、二酸化炭素を充満させた状態で数日間おく、赤ワインの醸造法の1つ)による嘘みたいにフルーティーなワインとは一線を画します。軽さと酸を得るために、比較的早めの収穫。それでも果実を感じさせるバランス感覚。驚くほどアロマティックな白や、軽やかなのに複雑味のある赤。大変シンプル。さらにこの数年は、とても綺麗な仕上がりが印象的です。
素朴なペイザン(=農夫)の印象の裏には、驚くほど深い地質学や土壌に関する知識と考察があります。
現地では、常に取り合いのワインに仕上がっています。



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