2025/05/15 15:03
カルティケス (Cal Tiques) / スペイン カタルーニャ ペネデス地方

当店で取り扱っている、ナチュールワインの生産者をご紹介していきます。
今回はスペイン カタルーニャ ペネデス地方の カルティケス (Cal Tiques) のご紹介です。
プレスを足踏みもなし!奇才が生み出す、味わい深いワイン~
当主ジョアン・ルビオは、「自然に最大限の敬意を払えば、素晴らしい贈り物を受け取ることができる」という信念に基づき、徹底したメソットのもと、ブドウ栽培と醸造を手掛ける。ジョアンは、カルティケスという名の畑のすぐ隣にある実家で生まれた。カルティス家は、何世代にも続くブドウ農家で、地元のワイナリーにブドウを販売していた。ジョアンは、幼い頃からブドウ栽培についてあらゆることを近しい存在であった祖父から教わりながら育つ。
その後、大学で醸造学、栽培学を学び、2001 年には名門カヴァ生産者であるレカルド社にて、栽培と醸造の責任者を務める。ジョアンには、カルティス家が代々に渡り行ってきた、ブドウの販売をやめ、自分たちでワインを作るという計画があった。2015 年に妻のアンヘルと友人のアール・ヤン・ヘミンクと共にドメーヌを立ち上げる。家族が元々畑を持っていたにも関わらず、ドメーヌ設立はジョアンが40代半ば頃。彼の経験、ヴィジョン、設備、経済面、全てが完璧に揃ってからのスタートには彼の哲学が見られる。
ジョアンは、ワイン造りの4つの柱を、土壌・畑の世話・収穫・醸造と考える。畑は小さな区画の集まりで、非常に多様な土壌を合わせ持った石灰質の石灰岩粘土。バイオダイナミック農業の原則に 従って厳密に作業しているため、天然の自家製堆肥のみを使用し、人工肥料や除草剤は一切使用しない。ブドウの木の間に様々な植物が自然に覆っており、これらすべてのバランスが、健康的な土壌に つながり、それ自体が再生され、長期的な収量をもたらす。ワインにとって、” 酸 ” が非常に重要と考え、収穫のタイミングは厳格に行う。赤・白ワイン共にマセラシオンのみの発酵。流行りの手法で はなく、果皮には風味や香り、質感の大部分の要素が含まれているという信念のもとマセラシオンを行う。ブドウ自身の味を液体に移し(インフレージョン)、自然に流れ出る液体のみを発酵、熟成させる。余分なタンニンや雑味を避けるため、プレスはしない。プレスする場合と比べ、約半分の果汁しか取れない。まさに、奇才と言える存在だ。
ワインの品種、ヴィンテージ、風景を表現するために様々な種類の容器を扱う。 ステンレススチール、オーク、セラミック製のジャーなど。さらに、その容器の 土の種類や焼き方にまで注意を払い、適切な熟成時間と、ボトルでの熟成期間を考えている。
彼のワインの特徴として、低アルコール(ほとんどが アルコール度数10 ~ 11% )、ドライでフレッシュ、軽やかでエレガント。生き生きとした酸。ワイ ン単体でも、いろいろな料理に合わせても。抜栓後の変化も美しく、ワインラバーを虜にする様なワインです。
